ハローワークで失業保険について電話相談は可能？必要な準備や連絡の流れを徹底解説

失業保険の手続きにおいて、ハローワークへの電話問い合わせは疑問を解消するための有効な手段です。

しかし、「電話で具体的に何を聞けるのか」といった疑問や、「何を準備すればよいかわからない」と不安を持つ方も少なくありません。

結論として、ハローワークへの電話は事前の準備とコツを押さえることでスムーズに進められますが、相談できる内容には限界もあります。

本記事では、失業保険の基本から電話で相談できる内容の範囲、かける前の必須準備、つながらない場合の具体的な対処法までを網羅的に解説します。

電話相談の全体像を理解できれば、自身の疑問や不安が解消され、自信を持って次のステップに進むための知識が身につきます。

ハローワークへの電話相談を活用して、失業保険の手続きを円滑に進めたい方は、ぜひ参考にしてください。

そもそも失業保険とは？受給するための3つの基本条件

はじめに、失業保険の基本的な知識について確認しましょう。失業保険とは、正式には「雇用保険の基本手当」と呼びます。

会社を退職した方が、失業中の生活を心配せずに再就職活動に専念できるよう、国から給付金が支給される制度です。

この大切な給付金をもらうためには、いくつかの条件を満たす必要があるため、本章で解説します。

雇用保険に加入していた期間が一定以上あること

原則として、離職日以前の2年間に、雇用保険に加入していた期間が通算で12か月以上必要です。

この期間は、1つの会社だけでなく、複数の会社の加入期間を合算できます。

ただし会社都合退職や、正当な理由のある自己都合退職などの場合は、離職日以前1年間に通算6か月以上の加入期間があれば受給資格が認められます。

失業の状態であり、働く意思と能力があること

失業保険は、再就職を目指す方のための制度です。

そのため、積極的に就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就けない「失業の状態」にあることが条件となります。

病気やケガ、妊娠・出産などで今すぐ働けない方や、学業に専念する学生、家事に専念する専業主婦（主夫）などは、原則として対象となりません。

ハローワークで求職の申し込みをおこなっていること

失業保険を受給するためには、自身の住所地を管轄するハローワークに出向き、求職の申し込みをおこなう必要があります。

電話のみでの申し込みはできず、必ずハローワークの窓口で正式な手続きをする必要があります。この求職申し込みをもって、失業保険の受給手続きがスタートします。

【結論】失業保険の問い合わせは電話で可能｜相談できる内容と基本情報

失業保険に関する疑問や手続きについて、ハローワークへの問い合わせは電話でできます。

しかし、電話で相談できる内容には限りがあるため、事前に何が確認できて、何ができないのかを把握しておきましょう。

ここでは、電話相談の範囲から、問い合わせ先の調べ方、受付時間まで、基本的な情報を解説します。

• 電話で相談できること・できないこと
• 管轄ハローワークの電話番号を調べる方法
• 電話の受付時間と曜日の注意点

各項目について詳しく解説します。

電話で相談できること・できないこと

ハローワークへの電話では、失業保険に関する一般的な内容の相談が可能です。

具体的には、失業保険の受給資格があるかどうかの一般的な条件、手続き全体の流れ、申請に必要な書類の種類といった内容について質問できます。

一方で、個人の詳しい状況に基づいた受給額の確定や、就労の意思や能力を確認する失業認定といった手続きは、電話では対応していません。

これらの手続きは、個人に関する詳細な情報や、書類の確認・面談が必要となるため、ハローワークの窓口で直接おこなう必要があります。

管轄ハローワークの電話番号を調べる方法

失業保険の問い合わせは、自身の住所地を管轄するハローワークでおこなうのが基本です。

管轄のハローワークの電話番号は、厚生労働省の公式Webサイトから調べられます。

「ハローワークコールセンター・チャットボットのご案内」ページにアクセスし、住まいの都道府県を探してください。そして自身の住所地に対応するハローワークを確認し、記載されている電話番号にかけましょう。

ハローワークによっては、代表番号のほかに雇用保険の給付を専門に担当する部門の直通番号が掲載されている場合もあります。

用件が明確な場合は、部門直通の番号にかけた方がスムーズにつながるでしょう。

電話の受付時間と曜日の注意点

ハローワークの電話受付時間は、原則として平日の8時30分から17時15分までです。

土曜日、日曜日、祝日、そして年末年始は閉庁しているため、電話での問い合わせはできません。

また、電話は時間帯によって混みあう傾向があります。

とくに週明けの月曜日の午前中や、週末前の金曜日の夕方は問い合わせが集中し、つながりにくいことが多いでしょう。

ハローワーク電話混雑度 目安

曜日	午前（8：30〜12：00）	午後（13：00〜17：15）
月曜日	✕ 大変混雑	△ 混雑
火曜日	△ 混雑	○ 普通
水曜日	○ 普通	○ 普通
木曜日	○ 普通	○ 普通
金曜日	△ 混雑	✕ 大変混雑

可能であれば、比較的空いている火曜日から木曜日の午後などを狙って電話をかけることをおすすめします。

電話をかける前に必須｜失業保険の問い合わせに必要な3つの準備

ハローワークへ電話をかける前に少し準備をしておくだけで、問い合わせがスムーズに進み、聞きたかったことを確実に確認できます。

ここでは、電話をかける前に最低限準備しておくべき3つの項目について解説します。

それぞれの準備について、具体的に解説します。

1. 雇用保険被保険者証や離職票を手元に用意する

電話で問い合わせる際は、本人確認と状況把握をスムーズにおこなうため、雇用保険被保険者番号が記載された書類を手元に用意することが必須です。

雇用保険被保険者番号は、会社から受け取る「雇用保険被保険者証」や、退職後に交付される「離職票」に記載されています。

どちらかの書類を準備してから、ハローワークに電話をかけましょう。

もし、これらの書類が手元にない場合は、その旨を正直に伝え、どうすればよいか職員の指示を仰いでください。

状況によっては、本人確認をおこなったうえで、一般的な案内をしてもらえることもあります。

2. 聞きたい質問や相談内容をメモに書き出す

限られた時間の中で的確な回答を得るためには、事前に質問したい内容を整理しておくことが非常に重要です。

電話をかける前に、自身が何に困っていて、何を知りたいのかを具体的にメモに書き出しておきましょう。

たとえば、「自己都合退職の場合、いつから失業保険をもらえるか」や「申請に必要な書類を聞きたい」など、質問を明確にしておくことが大切です。

漠然とした不安をリストアップするだけでも、頭の中が整理され、落ち着いて話せるようになります。

3. 回答を記録するための筆記用具を準備する

職員からの回答や指示を正確に記録するため、筆記用具とメモ帳を準備するのも忘れないようにしましょう。

電話では、手続きに必要な持ち物や、次回来庁する日時、担当者の名前など、重要な情報を伝えられることがあります。

これらの情報を聞き逃したり、忘れたりすることがないよう、すぐにメモを取れる状態にする必要があります。

もちろん、スマートフォンのメモアプリなどを活用するのもよい方法です。

記憶のみでは忘れてしまう可能性があるため、筆記用具とメモを用意してからハローワークに電話相談しましょう。

電話相談を成功させるコツと注意点｜つながらないときの対処法も

準備が整ったら、いよいよハローワークに電話をかけます。

ここでは、要点をスムーズに伝えるコツや、電話がつながらないときの対処法を解説します。

• 要点をスムーズに伝える話し方のコツ
• 退職理由で伝えるべきポイントの違い
• 電話がつながらないときの対処法

これらのポイントを押さえることで、電話相談の成功率を高めましょう。

要点をスムーズに伝える話し方のコツ

ハローワークに電話がつながったら、まず「失業保険の件でお伺いしたいことがあります」と用件を簡潔に伝えましょう。

続けて担当者から求められたら、自身の氏名と雇用保険被保険者番号をはっきりと伝えます。これにより、担当者はスムーズに自身の情報を確認できます。

質問をする際は、まず「給付制限期間について知りたいのですが」のように、結論から話すことを意識してください。

そのあとに、「退職日は〇月〇日で、自己都合での退職です」といった補足情報を加えれば相手も状況を理解しやすくなり、的確な回答が得られます。

自己都合と会社都合｜退職理由で伝えるべきポイントの違い

失業保険は、退職理由が「自己都合」か「会社都合」かによって、給付金を受け取れるまでの期間や日数が大きく異なります。

そのため、電話で問い合わせる際には、自身の退職理由を正確に伝えることが重要です。

自己都合退職の場合はその旨を、会社の倒産や解雇といった会社都合の場合は、その具体的な状況を説明できるように準備しておきましょう。

とくに、自身のケースが会社都合退職に該当する「特定受給資格者」にあたる可能性がある場合は、状況を詳しく伝える必要があります。

また病気や介護など、やむ得ない理由で退職した方は、「特定理由離職者」に認定される可能性があるため、辞めた経緯や理由を詳しく伝えてください。

電話がつながらないときの対処法

ハローワークの電話は、時間帯によって非常に混みあい、なかなかつながらないことがあります。

何度かけてもつながらない場合は、まず混雑が予想される時間帯を避け、比較的空いているとされる火曜日から木曜日の午後にかけ直してみましょう。

また、ハローワークのWebサイトを確認し、雇用保険給付課など、担当部門の直通番号が公開されていないか探すのも有効な方法です。

それでもつながらない場合は、ハローワークインターネットサービス上での情報検索や、厚生労働省が提供するチャットボットサービスを利用しましょう。

ハローワークの電話で解決しない悩みは専門家への相談がおすすめ

ハローワークへの電話相談は、失業保険の基本的な疑問を解消するうえで非常に有効です。

職業相談員は中立的な案内をおこなうため、一人ひとりの状況にあわせた「最も有利な受給方法」までは教えてくれません。

そこで、専門家の力を借りながら悩みを解決したい方向けに「退職バンク」を紹介します。

ハローワーク相談の限界｜一般的な案内が中心

ハローワークの主な役割は、失業保険制度のルールに基づいた公平な手続きと、一般的な情報提供です。

そのため、給付金を最大限にする方法やどのような申請方法が一番有利かなど、個人の利益を最大化するための提案は受けられません。

あくまで制度の案内役であり、申請者一人ひとりに寄り添ったアドバイスをおこなう機関ではないという点が、ハローワーク相談の限界といえるでしょう。

利用者からは、一般的な説明に留まり、具体的な解決策が見えなかったとの声もあるため、充実したサポートを受けたい方には向いていません。

専門家（退職バンク）に相談する3つのメリット

ハローワークの電話相談では解決できない悩みは、失業保険の専門家に相談するのがおすすめです。

専門的な知識を持つ「退職バンク」のようなサポートサービスを活用すると、主に3つの大きなメリットが期待できます。

3つのメリット

• 受給額・受給期間の最大化
• 受給開始までの期間短縮
• 手続きの手間と精神的負担の軽減

専門家に依頼すれば、受給額や受給期間を最大化でき、給付開始期間を短縮できる可能性が高くなります。

また複雑な失業保険の手続きのアドバイスを受けられるため、申請の手間や精神的な負担を軽くできるのも専門家に相談するメリットです。

退職バンクの具体的なサポート内容

「退職バンク」は、失業保険の申請を専門家が徹底的にサポートするサービスです。

社会保険労務士が監修する安心の体制で、一人ひとりの状況にあわせた最適な受給プランを提案します。

相談はLINEやオンライン面談でおこなうため、全国どこに住んでいる方でも利用可能です。

また、申請手続きを進める中で生じた疑問や不安は、いつでも繰り返しチャットで相談できる手厚いサポート体制も魅力です。

これにより、知識がなくても安心して失業保険の手続きを進められます。

簡単3ステップ｜無料相談からはじめるまでの流れ

「退職バンク」の利用は、非常に簡単なステップではじめられます。

まずは、公式LINEアカウントを友だち追加し、無料相談を申し込みましょう。

現在の状況などを伝えることで、受給額の見込みなどを診断してもらえます。

次に、オンラインでの個別相談を通じて、専門家が自身の状況にあわせた具体的な提案と、今後の流れを詳しく説明します。

内容に納得できれば契約となり、専門家の手厚いサポートがスタートする流れです。

失業保険の電話問い合わせに関するよくある質問

最後に、失業保険の電話問い合わせに関して、多くの方が抱く疑問についてQ＆A形式で解説します。

• ハローワークへの電話相談は無料ですか？
• 失業保険ではなく育児休業給付金のことも電話で聞けますか？
• 自己都合退職の場合給付制限期間はいつから1か月になりますか？
• 電話で失業保険の受給額を計算してもらえますか？

これらの点を事前に確認し、不安を解消しておきましょう。

ハローワークへの電話相談は無料ですか？

ハローワークへの電話相談は無料です。全国のハローワークは国が運営する公的機関のため、相談に対して料金が発生することは一切ありません。

ただし、電話をかける際の通話料は自己負担になるため、比較的長い時間相談したいときは注意が必要です。

失業保険ではなく育児休業給付金のことも電話で聞けますか？

育児休業給付金に関する問い合わせもハローワークで対応しています。

育児休業給付金は、失業保険と同じく雇用保険制度の一部であり、ハローワークが申請窓口となっているためです。

なお、2025年4月1日に「出生後休業支援給付」や「育児時短就業給付」といった新しい給付も創設され、制度はより複雑化しています。

わかりにくい点があれば、ハローワークに電話で問い合わせてみましょう

自己都合退職の場合、給付制限期間はいつから1か月になりますか？

2025年4月1日に自己都合で離職した場合の、給付制限期間が1か月に短縮されました。

令和７年４月１日以降に正当な理由がなく自己の都合で退職した場合の給付制限期間は原則１か月となります。

引用元：厚生労働省

これにより、以前よりも早く失業保険をもらえるようになります。

ただし、注意点として、過去5年間に3回以上自己都合による離職を繰り返している場合は、給付制限期間が3か月となります。

自身の状況がどのケースに該当するか、不明な場合は確認が必要です。

電話で失業保険の受給額を計算してもらえますか？

ハローワークへの電話問い合わせで、失業保険の正確な受給額を計算してもらうことはできません。

電話で確認できるのは、あくまで一般的な計算方法や、おおよその金額の目安までです。

個人の正確な受給額は、離職前の賃金額が記載された離職票などの正式な書類に基づき、ハローワークの窓口で審査のうえ決定されます。

受給額のモデルケースを紹介するため、参考にしてください。

【参考】受給額モデルケース（35歳・勤続5年・自己都合退職）

離職前の月収（額面）	基本手当日額（目安）	給付日数	総受給額（目安）
25万円	5,588円	90日	約50万円
30万円	6,570円	90日	約59万円
40万円	8,055円	90日	約72万円

※あくまで簡易的なシミュレーションです。正確な金額はハローワークで確認ください。

まとめ

本記事では、ハローワークへ失業保険について電話で問い合わせる際の、相談できる内容や必要な準備、成功させるためのコツや注意点を解説しました。

ハローワークへの電話は、基本的な疑問を解消するのに有効ですが、専門的なアドバイスを得るには限界があることも事実です。

退職後の生活を安心してスタートさせるためには、正確な情報に基づいて、自身にとって最も有利な選択をすることが重要です。

より手厚いサポートや専門的なアドバイスを求めているのであれば、失業保険申請サポートの専門家が在籍する「退職バンク」への相談も検討しましょう。

詳しいサポート内容については、公式サイトで確認するか、サービス名「退職バンク」で検索してみてください。